H E L M I

わたしの日々のこと

『ヘルシンキ 生活の練習』。

北欧、特にフィンランドが好きだという友達が多い。その中には、北欧、特にフィンランドを理想郷みたいに思っているひとも少なく無い。

実際住んでいる友達に言わせると、当たり前だけど旅行者と移民では見えるものも違うから、理想郷でも天国でもないとめちゃくちゃ愚痴る。そりゃあ問題もあるだろう。それでも馬鹿丸出しで言うと、社会民主主義っていいなと思うし、福祉国家って住みやすそうだなと思う。

この本はとても面白かった。淡々と語られるフィンランドという国のことも興味深いし、出会う人びとの会話も面白い。「性格」や「得手不得手」で片付けられてしまうようなことを「スキル」とみなし、学んでいけば身につくという考え方に、救いを感じた。

フィンランドの観光局は広報が上手で良いことしか言わないって友達はいうけど、そりゃそうだろう。それが仕事なんだから。でも、「困っています」「助けてください」と主張すれば、ちゃんと手を差し伸べてくれる社会はいいよ。羨ましいよ。困窮したひとを「自己責任」だのなんだの言って追い詰めるようや社会より、ずっと良い。だからって、そこは天国でも理想郷でもない。それが分かったうえで、やはり羨ましいと思う。