荷物の話が続くんだけど、二泊三日の研修旅行みたいなのに参加した時のこと。ほとんどフリータイムがないという、自由度0の旅程。着替えと言ってもスーツだからシャツと下着、それと化粧品くらいの荷物で、その時はみんなキャリーだと言うし、わたしもキャリーにした。
当日、空港で集合した参加者の中にひとり、大きなトランクを持っている女性がいた。トランク。トランクケース。あの、車輪のついてないやつ。多分誰かに運んでもらうタイプのやつ。
みんながコロコロとキャスターを転がしてる中、そのひとはトランクを手に持って歩く。見た目どおり重いらしくて、足取りもヨタヨタしていた。見かねたひとがカートを持ってきてあげたんだけど、カート、自分で取りにいかないんだなとびっくりした。
なんでも、夫が家族の旅行スタイルをガチガチに決めているとかで、キャスター付きのスーツケースを使用することを夫が許さないらしい。だから、普段、旅行の時は夫が彼女のトランクを運んでくれるのだとか。へー。その話を聞いて「愛されてるんですね！」なんてヒューヒュー言ってるひともいたけど、わたしは「でも今回は家族旅行じゃないし、運んでくれる夫もいないんだけどな」と思った。言えるわけもなく、思っただけ。
毎回毎回、移動のたびにそのひとは重い（そしてその旅行には不似合いな）トランクを両手で持って、集合場所に必ずいちばん最後に現れた。彼女の夫的には、こだわりを持ってスタイリッシュに人生楽しんでいるのかもしれないけど、キャスターついてるの楽だよ？ と、やっぱり思うだけ思った。
トランク、かっこいいと思う。サイズにもよるけど、大きいのは現実的じゃないな。なんてことを思い出したしだい。
