H E L M I

わたしの日々のこと

『奇跡のフォント』。

最近読んだ中で、いちばん「熱意」というものを感じた本。

紆余曲折の後、念願の発売決定! ってところで、なんかもう涙がツーと頬を……。自分でもびっくりしちゃった。

フォントが好きなひとって、多分めちゃくちゃいる。わたしは世紀をまたいで「個人サイト」を運営していた民で、当時はかわいいフォントやかっこいいフォントを求めてネットの海を探検していた。あの使うわけでも無いのに集めていたフォントたちは、みんなこんな大変な工程を経て生み出されていたんだなって、今更ながら感謝。

この本を読む前、ちょうど仕事で作ったマニュアルのフォントを何の根拠もなく上司の一存でクソダサいフォントにされてしまい、嫌過ぎて投げ出しそうになった。自分の作ったものが、フォントひとつでめちゃくちゃダサくなるのが耐え難くつらかった。……みたいに、ダサいダサくないにこだわれるひとは、印字を読むことに何のストレスもないってことなんだ。

Windows OSのパソコンには標準で入っている「UDデジタル教科書体」誕生の裏に、こんなにたくさんの熱い思いや苦渋や困難、そして導かれるみたいな幸運があったなんて。知ったら使いたくなる。このフォントを選ぶことで、どこかの誰かをアシストできる。マニュアルだって、「UDデジタル教科書体」で作れば良かったって思った。

この本は本当におもしろくて、友達にも知らないひとにも、すごくいい本だったよって言いたい。