初めて海外旅行に行った時はまだ、デジカメとかスマホの時代ではなくて、帰国してから使い捨てカメラを現像に出した。2回目の時はデジカメは持っていたけど、今となってはデータがどこにあるのか分からなくて、撮った写真をほぼ見返すことが出来ない。
初海外はロンドン。2回目もロンドン。1回目のロンドン旅行は、ひょんなことから参加する事になった為、飛行機もホテルも日程自体も、決定に加わったことは一切なかった。
その時の飛行機はヴァージン・アトランティック。成田から飛んだ。飛行機に乗るだけでアメニティキットがもらえた時代、尾翼の形の赤いポーチにはワクワクが詰まっていたな。自席のモニターでは、INXSや少年ナイフのミュージックビデオが繰り返し流されていた。
ヒースローに向かって飛行機が高度を下げていくと、ロンドンの街並みが目に飛び込んでくる。眼下に広がるロンドンは、本当にワクワクする。2回目はロンドン着が夜中だったから、疲れ果てていて景色どころじゃなかった。イタリアを経由しての便はただでさえ遠回りなのに、さらにミラノでの乗り継ぎがしれっと遅延した。食欲より睡魔の方が猛威をふるう夜中、機内で渡されたパサパサのパンは、ちょっと忘れられない。
2回目のロンドンは「申し込み時点では航空会社もホテルも分からない代わりに安い」というすごいプランで、そういう意味では選択できることはとても限られていた。飛行機は残念だったけど、その分ホテルの立地はすごく良かった。
写真のデータは無くしたかもしれないけれど、思い出はしっかり残っていて、つらつらと書き連ねることも出来る。しみじみと、ああ、旅行したい……と思う夜なのだ。
