H E L M I

わたしの日々のこと

見知らぬひとから。

突然、見ず知らずの外国人からメッセージアプリにメッセージが届いた。普段なら無視するんだけど、内容が内容だったのでリクエストを許可した。

SNSで繋がりのあったある人物の苗字を知っているか? という内容で、「ある人物」とは数年前に亡くなった友達のことだった。

その人は、10代の頃に日本人の女の子と文通していた。彼女の描いたイラストを今も大切に持っている。SNSを始めた時、ペンパルだった女の子と同じ名前の日本人とフレンドになった。同じ名前。でも苗字が違う。共通点は、同じバンドのファンだということ。

特に確認することもなく、特に親密なやりとりをすることもなく、お互いがポストする写真や記事にいいねを付け合うだけの関係が続いた。

ある日、彼女は大病を患い、闘病の末に亡くなった。「自分が死んだら、SNSでみんなに報告して欲しい」と頼まれていたわたしは、彼女のタイムラインで彼女とわたしの友人たちに報告した。

おそらくそれを見て、その人はわたしにメッセージを送ってきた。長い間、本人にも、あえて確認しなかったひとつのことを、ようやく確認するため。

「海外にたくさんペンパルがいたって聞いたことがある。あなたがそのうちのひとりなんだね。今もイラストを大切に持ってくれているなんて、きっと彼女も喜ぶよ。わたしも嬉しい。」その人にはそう伝えた。

彼女からは、「ずっともう何十年も友達のひともいるから、わたしが死んだらちゃんと伝えて欲しいんだよ。あなたにしか頼めない。」そう言われて、嫌々ながら引き受けた。でも、引き受けてよかったよ。わたしに、友達の証をくれてありがとう。わたしを信頼してくれてありがとう。