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わたしの日々のこと

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』

わたしは恋愛が苦手で、うまくいった試しがない。でも恋愛を扱ったものが苦手かと言うとそうでも無い。ただただ感情移入して疑似恋愛に興じるのは、とても楽しい。

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』は恋愛小説なのだろうけれど、理解できるところとできないところの差が大きくて、感情移入して楽しめる作品じゃなかった。読書の楽しみは擬似体験だけじゃなく、シンプルに物語を読むことや、そこから何かを感じることなんだなぁと思った。上手く言葉にならないけど。

ゲイとかバイセクシャルとか、説明不要で当たり前の世界が羨ましい。彼らの才能と知的でクールな会話と、それが出来るコミュニティが羨ましい。とても文化的で自由に自分らしく生きられる環境が羨ましい。淡々としたやり取りの合間に、もどかしくも進む関係。既存のカップルを脅かしてもいい程の恋愛感情なんて抱いたこともないし、誰もが正直なようでそうじゃない感じ。

おもしろかったのに、その面白さを言葉に出来ない感じ。ちょっと置いてもう一回読んだら、わたしもカンバセーション出来るだろうか。