H E L M I

わたしの日々のこと

『快晴フライング』。

大好きな『マカン・マラン』シリーズの、いちばん最後のお話に登場した美青年エリック。彼とシャールが出会って、柳田先生がシャールと再会した頃の物語が『快晴フライング』。今は『銀色のマーメイド』と改題・加筆されているそう。

主人公は中学生男子。舞台は水泳部。でも物語の主役は彼だけじゃなくて、青春群像劇って感じ。ものすごくたくさんの、決して軽くないものが詰まっていて、誰の思いにも胸が熱くなって痛くなる。

スポーツには欠かせない、ライバルとのやり取りも熱い。理屈じゃない、スポーツ選手としての本能で響き合う関係が、たまらない。主人公チームとライバルチームの、緩急みたいなのがすごくよくって。

で、悪役は本当にどうしようもなく悪役で、何の事情も忖度もなく悪役なのもよかった。ああいう子は大人になってもああだよ、という諦めもあるけど、いつか自分の愚かさに気づいて欲しいとも思う。

全国の学校図書館とかで、多感な子供たちにたくさん読まれて欲しいと思う。うちの市の図書館には、『銀色のマーメイド』も入れて欲しい。