ジェーン・オースティン味がすごいと聞いて、『淑女たちの無邪気な秘密』を読んだ。今読み終えたところなんだけど、うわあっ! と泣きたくなった。
主人公のジョージアナは、めちゃくちゃ等身大の女の子。実の両親からは愛情をちゃんと注いでもらえてないと感じていて、預けられた叔母夫婦も近所の人たちも退屈でつまらない。そんな時に出会った、貴族でお金持ちでエキゾチックで美しいフランシスは、ジョージアナを憧れの世界に誘い、自分を取るに足らない女の子から格上げしてくれる存在。
仲間はずれになりたくなくて、フランシスから友達と呼ばれたくて、自ら進んで爛れた世界に足を踏み入れて。結果、自分も自分を本当に愛してくれる人たちも傷つけて。危なっかしいの一言。
だけど、自分の名誉と正義のために立ち上がってからのジョージアナは、ベティと共に応援するしか無い! って気持ちになった。
確かにこれは、ジェーン・オースティンが描いた19世紀を舞台にした物語。でも、そこにしっかりと、今わたし達が直面している格差や差別やそれに対するカウンター的なものが盛り込まれていて、熱い気持ちになった。ラストは本当に「うわあ!」ってなったの。ほんと、泣きたくなった。そして笑えた。良かった。