H E L M I

わたしの日々のこと

『他人の家』。

先週、図書館に4冊返して4冊借りてきた。そのうちの1冊が『他人の家』で、Podcast『真夜中の読書会』で紹介されていたのを聞いて予約した。

8編からなる短編集で、わたしが気に入ったのは、『アリアドネの庭園』と、『箱の中の男』。それから『開いていない本屋』。

アリアドネの庭園』は近未来の話。でも、全く他人事じゃないからじんわりとした恐怖を感じて、そわそわと心が落ち着かなくなる。自分のやってないことに対してまで謝罪を求められるような心地悪さ。でも、視点を変えて移民の子の立場に立てば、より良い未来のために立ち上がる高揚感がある。

全体を通してトーンが仄暗いというか、決して明るい気持ちになるような本ではなかった。表題作の『他人の家』なんか、読んでいて本当に居心地が悪かったし、結末もしんどいしかない。好きな感じではないけど、なんだか強烈な本を読んだなという気がする。